A6061の材料を探していると、A6061-T6、A6061-T651、A6061-T6511という表記を見かけます。
どれもA6061ですが、末尾の数字は何が違うのでしょうか。
今回は、弊社で材料を手配した経験も踏まえて、違いを整理します。
A6061は素材、T6は調質を示す
結論を言うと、
・A6061=合金の種類
・T6=熱処理・調質の状態
を示しています。
A6061は、マグネシウムとシリコンを含む6000系のアルミ合金です。
強度、耐食性、切削性のバランスがよく、機械部品や航空・防衛関連の部品、治具などに使われます。
一方、T6は素材の種類ではなく、熱処理・調質の状態を示す記号です。
T6は基本的に、溶体化処理後に人工時効硬化した状態です。
T6とT651の違い
T651は、T6の処理に加えて、材料を引っ張ることで残留応力を低減したものです。
アルミの厚板を大きく削り込むと、材料内部の残留応力が解放され、反りやねじれが発生することがあります。
特に、片側から大きく削る製品、深いポケット加工、薄肉形状、厳しい平面度が必要な製品では、加工途中の変形を考える必要があります。
T651は残留応力を低減しているため、厚板からの削り出しに向いています。
ただし、応力が完全にゼロになっているわけではありません。
T651でも、加工する面、取り代、加工順序などによって変形します。
T6511は主に押出材で使われる
T6511も、T6の処理に加えて、引張りによる応力除去を行った調質です。
T651との違いは、引張り後、寸法公差を満たすための軽微な矯正が認められている点です。
主に押出形材、押出棒、管などで使われます。
そのため、T6511はT651より強い材料という意味ではありません。
板材か押出材かを確認し、製品形状に合った材料を選ぶ必要があります。
国内では薄板がT6、厚板はT651が一般的
弊社の経験では、日本国内で流通しているA6061板は、板厚6mm程度まではT6、それより厚い板はT651となることが一般的です。
ただし、「T6は板厚6mmまで」という規格上の絶対的な制限があるわけではありません。
メーカーの製造範囲や、材料商社の在庫体系によって取り扱いは変わります。
そのため、正確には、
「国内の標準在庫では、薄板にT6、厚板にT651が多い」
と考えるのがよさそうです。
※米国や中国のメーカー、材料商社では、6mmを超える6061-T6板を取り扱っている例があります。
そのため、海外からであれば厚いT6板を入手できる可能性があります。
A6061-T6・T651・T6511の違い まとめ
・T6…溶体化処理後に人工時効硬化したもの
・T651…T6に加えて、引張りで残留応力を低減したもの。厚板でよく使われる
・T6511…引張りによる応力除去後、軽微な矯正が認められたもの。主に押出材で使われる
では、応力を低減したT651は、実際に削るとどの程度変形するのでしょうか。
次回は、実際に厚さ30×幅68×長さ357mmのA6061-T651を加工し、各工程で平面度と変形方向を測定した結果を紹介します。
※規格、製造範囲、在庫状況はメーカーや材料商社によって異なります。実際の発注時には、最新の規格、仕様書、材料証明書をご確認ください。
A6061の切削加工でよくあるご相談
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A6061-T6とT651、どちらを選べばよいですか?
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加工する板厚や製品形状、削り込み量などによって適した材料は異なります。特に厚板から大きく削り込む場合は、残留応力による変形を考慮する必要があります。
国内流通を考慮すると、厚板はT651の選択肢しかないかもしれません。
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A6061の厚板を削ると反りますか?
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厚板を大きく削り込む場合、材料内部の残留応力が解放され、反りやねじれが発生することがあります。材料だけでなく、加工方法や加工順序も重要になります。
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A6061の複雑な形状も加工できますか?
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出来ます。A6061の被削性は良く複雑形状加工に適していると言えます。
ポケット加工や薄肉形状など、形状によって加工時の変形リスクが異なります。図面や3Dデータをご提示いただければ、加工方法について検討できます。
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材料の調達から相談できますか?
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A6061-T6、T651、T6511など、必要な材料仕様を確認し、製品形状や加工内容に合わせて材料を選定することが重要です。材料調達についてもご相談ください。
A6061の切削加工でお困りでしたら、まずは図面や加工内容をお聞かせください。



